慈眼寺 副住職ブログ

日本もなんかやってはどうか

盛り上げってますねぇ!ラグビー!

まさかこんなことになるとは!
先日電車の中で高齢の上品な女性二人が、

「アイルランド戦みました?感動しましたわ!」

とか言い合っていて、

「日本、えらいことになってんな」

と思いました。

ラグビーなんて全然知らない日本人がほとんどだったはずなのに、ものすごい盛り上がりですね。世代の広さで言えばサッカー以上じゃないですか?キャプ翼とJリーグがなければサッカーなんてかなりのマイナースポーツでしたし、その昔はスクールウォーズに代表されるラグビーの時代でしたからね。何が流行るかわかりませんね。

かくいう私もラグビーのルールなんて全然分かんないし、試合を見たこともほとんどないのですが、昔バイト先に国学院久我山でラグビーやってた先輩がいて、ガタイとんでもなくって、僕を子供みたいに軽々持ち上げて遊んではったのを思い出しますね。あと、昔の職場にラグビー部あって、あの独特の太もも太い体型見てすげぇなと思ってました。大阪はラグビー熱高いですしね。冬になったら近鉄で大阪行き普通に乗ったら、ゴツいおっさんたちだらけの車両に出くわすとかよくあります。ああ、あと早稲田行った同級生が冬になったらなんかジャージ着て応援してますね。

やることに関しては自分には全く向いてないスポーツなので、絶対にやろうと思わないですが、見てみたら案外楽しいですね。サッカーがいかにかわすか、というスポーツなのに対し、当たってナンボの世界なのがスゴイ。音聞こえてきそう。

そして気になるのがやっぱりあの「ハカ」とか「シバタウ」とかのいわゆる「ウォークライ」ですよね。

なんつーか、原初的な闘争本能みたいなものがむき出しですごいのに、厳粛でもあり、惹かれるものがあります。

踊ってる間、相手がじっと待ってるのもなんか日本人向けと言いますか、日本人の遺伝子にも訴えかけるものがあります。戦隊モノでも「名乗り」のときは一切攻撃しないで待ってますからね。

ハカって、バスケチームでもやってるんですけど、アレやっぱり細い人がやったらちょっと迫力不足で、やっぱりああいう、マサ斎藤とかターザン後藤みたいな人が一番輝くジャンルですよね。

で、残念なのが、日本にはああいうのが全然ないこと。

日本にも合戦前の「鬨の声」っていうのありますけど、「エイエイオー!」って言うだけなのもちょっと寂しい。能とか歌舞伎も楽器がないと寂しい。エッサッサは日体大名物だしなぁ。

そうだ!アレならどうだ!

土俵入り!

肉弾系だし!雲龍型のやつ基本で、「今日は不知火型」とか。で、会場がみんなで「ヨイショ―!」って。

まぁアレ神事なので、ちょっと微妙なのかなぁ。でもスクラムとかタックルとかほぼ「立ち合い」ですしね。現代の力士だと思えば・・・。まぁちょっと大人しいですが、日本らしい「間の文化」みたいな。アカンか。

ハカもかつては真面目にやらない世代もあって適当な奴も混じってたらしいですが、最近は多様性の時代といいますか、伝統が見直されている時代なので、かえって今見ると新鮮だというのはありますよね。何より原始の時代の命がけの戦闘の厳粛さを見るようで、心に響きます。ラグビーって一歩間違えば、というスポーツなので、ある種の「覚悟」みたいなものが必要ですからね。

ハカの歌詞って日本語に直すと、「私は死ぬ!私は死ぬ!私は生きる!私は生きる!」という死の覚悟と生きて帰るという覚悟をあらわしたものらしいですから、ラグビーのように防具もつけずに生身で突進するスポーツには、実に似つかわしい気がいたします。

ただのにわかが、残り期間も戦士たちの奮闘を祈ります。