慈眼寺 副住職ブログ

慈眼寺大集合

今更ですが、当寺は慈眼寺といいます。

この「慈眼寺」という名前が案外多く、観音さまがご本尊のお寺ではよくある名前です。
「じげんじ」と読むことがほとんどですが、ごくまれに「じがんじ」というお寺もあるようです。

近くですと大東市の野崎観音さんが「慈眼寺」です。
http://www.nozakikannon.or.jp/

群馬県にもしだれ桜で有名な「慈眼寺」さんがあるようです。
http://www.takijigenji.or.jp/

そして最もすごいのが鹿児島市にある「慈眼寺公園」。そうめん流しで有名なようですね。
なんと「慈眼寺駅」もあります。
http://www.kagoshima-kankou.com/guide/12508/

以前私が偶然発見した「伊根の慈眼寺」もありましたね。

伊根13 nevi

運命を感じました。

本来「慈眼寺」の「慈眼」とは「観音経」の「慈眼視衆生 福聚海無量」に由来します。

「観音さまは一切の功徳を具し、慈しみの眼でもって衆生を視ていてくださる。観音さまに一心に祈れば、福の集まること、まるで海のようである。」という意味です。「慈しみ」とはサンスクリットの「マイトリー」。無差別にあらゆる人に幸福を与えることを意味します。

「慈」という字は書いてみると面白い字で、右を向いているのだか、左を向いているのだかよくわかりません。あっちへいったりこっちへいったり。
字源としては「茲」が草が集まって生い茂って繁殖していくさまをあらわしています。そこに心がつくわけですから、親の子に対する無差別の愛のような意味になりましょうか。キリスト教における神から人へ注がれる愛=「アガペー」と仏教の「慈悲」は非常に共通点の多い概念ですが、字源の段階から共通項があるわけですね。

場所は違えど、みな、観音様の慈悲の心にすがろうというお寺が全国にあるわけで、全国の慈眼寺さんと会ってみたい気もしますねぇ。