慈眼寺 副住職ブログ

トレランはまっちゃうかも?

緊急事態宣言も解除され、そろそろ各地で学校も再開されるようなそんな流れ。

学校がないあいだのけっこうヒマな時間を私がどうしていたかというと、当然のように太ってきたので、ちょくちょく自転車やランで早朝や夕方ひとけのないところを走っていました。自転車ではもちろん奥山。問題はラン。いつもの鴻池陸上競技場まわりは人がわりといます。スケボー少年がかなり集合してます。あと、バドミントンしてるカップルがいる。これがイカン。握り方から振りからもう何もかも気になる。コラー!とか叫びそうになりますが、そんなことしたら完全に通報対象です。不審者です。

そんなわけで、ランでも山にいくか、ということで、東大寺~若草山のトレランもどきをはじめました。

これがやってみると楽しい!めちゃくちゃ爽快です。

慈眼寺から佐保川沿いにまっすぐ行くと東大寺までそんなにかかりません。

そして大仏殿に沿って鯉の池をまわって階段を上ると巨大なものがだんだんと見えてきます。

 

圧巻です。

 

「奈良太郎」と呼ばれる大きな鐘。鐘楼は鎌倉時代再建されたものですが、鐘は東大寺創建当初のもの。東大寺にお参りしてもだいたいは大仏殿のみで、こんな巨大な鐘があることを知っている人はそんなにいないのでは。すぐ横には俊乗堂。言わずと知れた大勧進俊乗坊重源のお堂です。都祁の来迎寺を兼務させていただいて以来、何かというとこの重源という大人物がひょっこり顔を出すようなことが多々あり、このお堂の前を通るときは、背筋が伸びる思いです。

そこから二月堂の威容を見上げつつ走り、手向山八幡の前を抜ければすぐに若草山の前。ここはスルーしてそのままぐるっと回りますと、春日山原始林への入り口につきます。

ここは本当にいつきても気持ちがいい。

藤のころは紫で覆われるような光景が見られますし、いつ来ても涼しくて緑が清々しい。

ここは未舗装路とはいえ、ママチャリでも登れちゃうようなところです。ロードでも何回か登ったことがあります。

斜面もそれほどでもないのでえっちらおっちら景色を見ながら登りますと、そこそこ頑張れば山頂につきます。

 

ランではじめて頂上にきたとき、経験したことのない気持ちよさを感じました。

風も気持ちいいし、景色もいいし、地味な山登りが一気に報われる瞬間。

ちょっとこんな経験今までなかったです。

「フルマラソン終わったら人生観変わる」と言いますが、私は何も感じませんでした。嫌な言い方すると「こんなもんで変わる程度の人生送ってないわ」みたいな気持ち。サイテー(笑)

ところがそんなひねくれた私が、子供がハイキングでこれるような若草山の山頂で全身鳥肌です。わかんないもんですね。

トレランはまっちゃうかも?と思った瞬間でした。

このあたりを走って思うのは、「ほんとうに奈良っていいところだな」ということ。

家から走ってすぐにこんな気持ちよくって歴史を感じるコースを走れる。

自粛生活のおかげで、奈良のよさを再確認できました。大人になってやっとわかりますねー。