続・ヘアドネーション
先日ヘアドネーションのブログを書きましたが、ヘアドネーションって実は、まわりまわって仏教と関係しているって、知ってました?
「ヘアドネーション」=”hairdonation”とは、”hair”と”donation”の合成語です。
で、この”donation”というのは、「寄付」「贈り物」という意味で、「大事なものを与えること」を意味します。髪の毛という大事なものを誰かに分けるから、ヘアドネーション、なんですね。うまいこといいますね。
で、このドネーションですが、donateする人をdonorといいます。これで思い出す言葉がありますよね。
そうです。臓器移植の臓器提供者を「ドナー」といいます。臓器でも髪の毛でも、提供者はドナーであり、ドネーションする人なんですね。
さらに!このdonateなどの語源はラテン語のdonum=「贈り物」からきており、そしてこのラテン語の贈り物donumは、サンスクリットの「ダーナ」と同根の言葉。この「ダーナ」も「大事なものを与える」という意味合いです。
この「ダーナ」の音のみが日本語に転じて、「檀那」になります。つまり檀家様のことです。
大事なものを与えてくださる、布施をする人、すなわち檀那ということです。
そう思うと、この「ダーナ」という言葉がユーラシア大陸にどんどん広がって影響を与え合いながら様々な意味に転化していったことがわかります。スケールの大きな話です。
そういう意味では、お寺の娘がヘアドネーションしたっていうのは、なかなか由緒正しきことかなと誇らしくもあり。
このダーナの話にはちょっとした続きもあります。
この影響のさらに端っこで、日本ではさらに「檀那」→「布施をする人」→「お金持ち」→「旦那さま」→「ウチのダンナ」になって、我々ハズバンドになっております!最初は「布施をするくらい余裕のある裕福な人」という敬称で「ウチの大黒柱」的な意味合いで使われ始めた言葉だと思いますが、今や奥様に奉仕し、大事なものをすべて捧げる、ちょっと哀愁漂う言葉になりつつある気もします。
まぁでも、それも本来の「ダーナ」の意味として正しかったりして、なかなかこの言葉の重力の凄さを感じてしまう次第であります。