慈眼寺 副住職ブログ

明日からサムライ

今年も、すすきの季節がやってきました。

気候のいい季節ですが、私自身は微妙な季節。

母が亡くなったのが10月30日。今年もこの時期がきたのだなぁと、毎年いやになるほど思わされる季節。

亡くなる数週間前に「すすきが見たい」と言った母。

そんなにすすきが好きだった印象もないのですが、おそらく、広々とした野原を見たかったのだろうなと。外に出るのが大好きなのに、ずっと病院の白い壁に閉じ込められていたから。

そんなわけで毎年すすきを墓前に供えています。今年も自転車で、平城旧跡から引っこ抜いてきました。

むすめと毎日お風呂に入っていますが、昨日娘が風呂の中で、

「わたし、かぞくがみーんな大事。パパもママもじーじも、あっこばあばもにいにも、ひとみばあばも豊子ばあばもみんな大事。」

と言ったときは、ちょっとうるっときてしまいました。

ひとみばあばと豊子ばあばとは娘からすると祖母と曾祖母になります。ひとみばあばとは一度も会ったこともなく、豊子ばあばの記憶もおそらくないかと思います。母を亡くしてすっかり気落ちした私の祖母は、入院後、ほとんど食欲がなくなってしまいました。娘の渡す卵ぼうろをおいしいおいしいと言って食べてくれていました。

いやですねほんとうにすすきの季節は。

人が死ぬのは世の常だということを人に諭すのが仕事なんですが、毎年この時期はただのマザコンのおっさんになってめそめそしとります。

明日からは11月!西向くサムライ!や!(意味不明)