慈眼寺 副住職ブログ

奈良はYDM⑲ カレーなる自転車道楽 高畑まんま亭

突然ですが、カレーって、不思議ですね。

こんなに日本人に好かれてる食べ物って、ほかにラーメンくらいですかね?しかも外来の食べ物。ラーメンとともに、外来なのに本国風味が完全に消えている。

昔、友人の学校に来たブラジルの留学生に、「一番おいしい日本料理、ナニ?」って聞いたら、

「カレー」

って答えたそうです。

日本料理じゃねぇよ、って思ったそうですが、もはや日本料理ですよね。

このカレー&ラーメンというのは、オタクが最も愛する料理でもあります。東京秋葉原でも大阪日本橋でもオタク棲息地のそばには必ずあるのがカレー&ラーメン。みんな「俺の行きつけ」のカレー&ラーメンの店を持ってるんですよね。面白いですね。

でも、カレー好きには怒られるかもしれませんけれど、カレーって、ラーメンほど、多様性の幅が広くない、というか、そもそも濃い味付けなので、それほど差が出にくいもんだと思うんですよ。本格寄りか日本寄りかという大きな分類がまずありますけど、あとはスパイスはどこも凝ってるわけですし、逆に凝ってないのが好きという方もいますけれど、辛いのが好きかどうかは味覚とはまた違った問題ですし。結局日本寄りが好きな人はもうあとは、具の完成度が主な差別化の理由な気がします。そして案外大きなポイントは場所とかカレー以外のプラスαの部分なんじゃないでしょうか。アクセスってどんな食べ物でも重要ですけど、ラーメンってものすごい僻地で大行列とかありますよね。でもカレーはそこまでではない気がしません?2時間並ぶカレーとか、ちょっとない。やはり味にそこまで大きな差がないのが理由な気がします。ラーメンが変に「ラーメン道」みたいな能書きが多くて面倒な嗜好であるのに対して、カレーはどこまでも庶民の味方。学生の味方。そんな気がします。欧風高級カレーとかありますけど、食べたことないし。

で、その気取らなさと一人でいける気軽さゆえに、趣味を突き進んで単独行動が多く、食事はさっさと済ませてしまいたい何がしかのオタク・マニアにカレーとラーメンは人気なのかなとか思ったり。だいたい店が狭くて男性客ばかりなのがいいですよね。窮屈さで落ち着きます。お坊さん、カレー食うのか!とか怒られるかもしれませんけど、本山の食堂でもカレー出ますしね。公認メニューですよね。仏教もカレーもインド源流の日本定着ですし。

カレーはもっぱら自宅で食べる私ですが、少し前、お盆で忙しくなる前に、あの、一部に超有名なカレー屋さんに行ってきたんですよ。

そう、自転車マニアに絶大な人気を誇るカレー屋さん、高畑まんま亭さんに・・・。

まんま1

http://www.manmatei.com/about.html

まんま亭さんについては、もうずっと前から知ってはいたんです。檀家様も近くに住んでらして、バイクラックがたくさんあるのにそれが全部埋まってて、どう見ても自転車屋。しかもどこよりも流行ってる自転車屋さん。ブログなど拝見すると、現役選手や業界の有名人が多数やってきたり、このお店のチームがあったり、オリジナルジャージがあったりとものすごい濃い。濃すぎて俺なんかが行っていいものか・・・とビビりまくって行けていませんでした。

ところが先日、マッキサイクルズさんにお邪魔したとき、

「奈良と言えば、まんま亭さんですよね!え?行ったことない?なんでですか?」

という話になり、「全然怖くないですよ!気さくですよ!それにあそこのカレー好きすぎて、お取り寄せしてます。」

との話を聞き、よし、行ってみるか!・・・ネオプリ先生と!

と、同僚を巻き込んでようやく先日足を踏み入れた次第であります。

場所はズバリ新薬師寺の前、入江泰吉記念館の裏。

この日もバイクラックは自転車がズラリ。人気です。

まんま5

勇気を出して、店内に・・・。

写真で想像していたより優しい感じの奥さんが出迎えてくれました。

しかし濃すぎる店内。基本は大学のそばにある運動部が入り浸る定食屋さんのような雰囲気。ただし自転車部限定。
たいていの自転車屋さんより自転車マニアでは・・・。自転車マンガってこんなにあるの!?

まんま2

分かりにくいですが、マッキサイクルズさんのフレームが吊るされていたり、昔のプレミアものっぽいバイクが飾られていたり、強烈です。

まんま3

メニューの一番下に注目。

「プロテイン」がメニューに・・・。

まんま4

いよいよ出てきたカレーのお味は、とろみの少ないルーながら、味はいい意味でかなり個性的。スパイスに詳しいわけではないので何がどう違うというのは分からないのですが、スパイスがきつすぎるような角の立った感じはせず、さりとてまろやか過ぎて家庭的でもなく、酸味がキリッと爽やかでもある不思議なお味。インド風でも欧風でもない、ゴール前スプリントのようなキレのいい辛さ。一見量が少ないかと思いましたが、案外食べればカテゴリ山岳のような納得のボリューム。「ありそうでなかったカレー」という感じ。具に頼っている感じもないです。コレ、おいしいですね。お取り寄せするの、分かりますね。

どう見ても、自転車ブームに乗っかって一山当てたろうというカレー屋さんではなく、「自転車が昔から好きで好きで仕方ない人が、たまたまカレーも好きすぎて、両方してみました」的なお店です。なんという奇跡の組合せ。どっちも本気や!

いやーもっとはやく来てればよかったですね。奈良が世界に誇る名物店です。こんな店があるから奈良は侮れません。やっぱりやれば(Y)できる(D)町(M)ですな!

まぁ、何も知らずに入った人は、ビックリすると思いますけど(笑)