慈眼寺 副住職ブログ

真田丸が毎回楽しみ過ぎる

大河ドラマ「真田丸」、面白いですねー。

以前ちょろっと真田丸の砦の場所の話は書いたことありましたけど。
http://www.nara-jigenji.com/diary/1761/

毎週45分があっという間!実は歴史の専門の先生の目から見ると、不人気な大河ドラマでもとんでもなく細かいと時代考証までキッチリこだわりがあって、その筋の人が見れば「はは~ん、そういうことね」みたいな「ニヤリ」がいっぱいあるそうです。しかし通り一辺倒の知識すら怪しい私は、ときには歴史を教える立場ながら、スペンサー銃の扱いを見て「ニヤリ」など全くできません。せいぜい、やたらと仏像の説明が熱かったり、大村益次郎の肖像画の額が広すぎると似顔絵で説明するのが関の山です。あと、頼まれてもいないのに寧波の乱の説明が長いとか戦国時代の説明がほぼ松永久秀とか、そういうバランスの悪さも「持ち味」と開き直っています。

しかしそういう細かいことを抜きに楽しめるのが、三谷作品のよさでもあります。

家康の伊賀越えの回は面白かったなぁ。飯盛山から枚方の津田、そこから普賢寺→草内の渡し(サイクリングロード)→宇治田原→甲賀と、前半は仕事でよく行く霊園スタートで自転車ルートをどんどん行くわけですから臨場感がすごい。どの役者さんも達者で実によかったです。

並み居る役者さんの中で圧倒的存在感はやはり草刈正雄演じる真田昌幸でしょう。「表裏比興の者」と呼ばれ、つまるところ「気持ちいいくらい卑怯な奴」と半ば賞賛、半ば畏怖された怪物ぶりがよく出ています。正直、信繁なんかどうでもよくって、「コレ、主人公昌幸やん!」と誰もが思うキャラクターです。それもそもはず、信繁って、要は夏の陣での奮迅ぶり以外ほとんど見せ場ないんですよね。「家康を恐れさせた」って言っても、あの人脱糞したり、脱糞記念に似顔絵描かせたり、昌幸にも何度かボコボコにされてますし、基本的に関ヶ原まではビビりっぱなしの人ですから、別に珍しいことでもない。

信繁=幸村の大坂の陣というのは、つまりはマクロスのラストバトルのカタルシスと通ずるものがあり、さんざんウジウジ悩んだ主人公が、最後に巨大な軍勢の最中に突っ込んで敵を倒しまくるというカタルシスには、50万年周期の時を越え、日本人のカールチューンに訴えるものがあるんでしょうねぇ。

個人的には信繁のベストシーンは、バトル中よりも、バトル前の

「関東勢百万と候え、男はひとりもなく候」

のシーンだと思うのですが、それはまた別の話。

 

昌幸然り、松永久秀然り、斉藤道三然り、みな、成り上がりのひと癖もふた癖もある奸雄ぞろいで、戦国時代というのは本当に魅力的な人物がたくさんいます。特にこのドラマでは筋を通すエピソードを披露した順に、その人が死んでいく傾向がありますから、男らしいことしたら「あ、コイツ死ぬな」と思った方がいいですね。特に裏切りのイメージがない人でも、家督を継ぐまでには養子縁組を繰り返したり、主君を殺したり、一度や二度は人を裏切っている人ばかりです。逆説的に身も蓋もない合理主義の時代を儒教で「清く正しく美しく」教育して265年ももたせた家康は、やっぱりすごいという結論になるのでしょうか(笑)

さてさて、史実ではこれからも昌幸は主役を食いまくって、ガンガン卑怯な手を使って裏切って裏切って裏切ってまた裏切って、領地奪われてキレて暴れて、また裏切って、と人間味溢れる怪物ぶりがまだまだ見られるはずです。

真田家の旗印「六文銭」は三途の川の渡し銭。

「もう死ぬ覚悟はできてるで」の旗をなびかせて襲ってくるしょっちゅう裏切る人。

怖すぎるッ!