慈眼寺 副住職ブログ

今年もお彼岸が

今年もお彼岸の法要を無事勤めることができました。

コロナ禍で、おはぎを作ったりお食事をしたりということはできないのですが、感染に気を付けてなんとか小規模ながら勤めることができました。みなさまのご協力の賜物です。ありがとうございました。

今日は少し面白い出会いもありまして。

お墓の掃除をしていますと、カメラを持った紳士が来られまして、「古い鬼瓦があれば見せていただけないですか?」とのこと。

現在の慈眼寺の屋根には平成に大修理したあとの新しい鬼瓦がのっておりますので、古いものは保管してあります。

「そんなに古くないと思いますけど・・・」

と言ってお見せすると、「ああ、これは江戸初期のものですね」とお喜びになられたご様子。「銘が入っていることがあるのですが、銘が入っているものはありませんか?」とおっしゃいましたが、このタイプの大きなものには何も書いておりませんでした。しかしそういえば小さいのもあったな、とこの方がお帰りになられたあと、小ぶりのものを見たところ、

「奈良市般若寺町 早川勇次郎製造」の銘が。

ネットで調べると当麻寺の西塔の屋根にこの銘があるようで、明治から大正にかけての職人さんのようですね。このタイプの瓦には「修補」の文字もあるので、明治か大正に修復して頂いたのがこの早川さんなのでしょう。

頂いた名刺の連絡先に電話をかけると「今度また見に行きます」とのこと。

元大学の先生のようですが、世の中にはいろんなものに興味を持たれる方がいるんだなぁと思うと同時に、急に鬼瓦がカッコよく見えてきまして、大事にしようと思いました。