慈眼寺 副住職ブログ

退屈から救われました。

遅まきながら、やっと見終わりました。

SSSS.GRIDMAN

いや~よかったなぁ。すごいよかったなぁ。

私が信頼するオタクは3人。東に1人、西に1人だったのですが、去年新たに最年長で、おそらく最も裕福なオタクと出会わせていただき、3人目。なんと檀家さんなのですが、奥さんだけいらっしゃる日に、お参りにいったら露骨にDVDが並んでいてあまりのセレクションの渋さと、このご時世に動画でダウンロードせずに、DVDで買ってるあたり、「クリエーターへのリスペクトだな」と踏んで、「ああ、コレはホンモノだな」と。

実際に出会ってみると、年齢はたぶん10コくらい上だと思うんですが、一流企業に勤め、ちゃんと家庭を持ちながら、「アニメ見たり、イベント行くために働いてる」と公言するオタクエリート(エリートオタク)でした。

ある日「はねバドいいよね」っていう話をして盛り上がっていると、

「グリッドマン見た?」

という話に。奥さん曰く「この人、週末グリッドマンを見るのが最近の一番の楽しみ」とのこと。

コレはヤバい!見なければ!と、帰って見てみたらドはまりしてしまいました。てか、こんなん、ハマらんわけないやん。

最初予備知識として「アンドロメロスかグリッドマンどっちか選んでいいよ」と円谷プロに言われて選んだのがグリッドマン、という裏話だけ得ていたのですが、副住職超アンドロメロス派なので、「なんでやねん!」と、最初は思ってました。

いや~しかしよかったッスねぇ。オーバーロードの3期のショボさにガッカリしてしばらくアニメ見ないでおこうと思ってたんスけど、まさかこんなに面白いもんをスルーしてたとは。

特に9話から一気に盛り上がりましたねぇ。作画も一気にエンジンかかった感じ。返す返すもオーバーロード3期の後半の作画演出の終わりっぷりを見るに、グリッドマンの贅沢さよ。

近いところでグレンラガンを、古いところでビューティフル・ドリーマーを彷彿とさせるストーリー。ああそういえば銃夢の対自核夢(ウロボロス)も同じ設定だし、まどマギにもありましたね。まぁよくあるネタっていえばそれまでで、時間干渉ネタでいえば荒木飛呂彦の方が数段オリジナリティが高いのですが、少女の描く「こうあってほしい世界」という切なさが前面に出てて、すごいよかったですね。

そこからの怒涛の展開は燃えまくりますし、ラストも予想できるっちゃーできるんですが、「嬉しい予想通り」と言いますか。一つの作品としてすごくキレイにまとまってますよね。あくまで「続編」「外伝」ですよという立場を守りつつの。こういうこじんまりした作品、一言で言えば「佳作」ってことになるんですが、こういうのがたくさんあるのが業界の健全さの指標かなとか思います。

ただ、いっこだけ、内海がもうちょっと活躍してほしいかなと。まぁ「俺、いなくてもいいじゃん」と悩むのが仕事みたいなところあるんですが、もうちょっと必然性みたいなの。

テーマは基本的にここ20年くらいずっと現代の青年期のテーマであり、オタクに最も露骨に顕在化してた「青年期の屈折した万能感」というものに対する立ち位置みたいなものを、キッチリ答えを出すよりはなんとなく雰囲気で誤魔化した感じなんですが、その適度ないい加減さがまたこの作品のよさでもあるなと。

何が似てるってわけでもないですが、スケール感がどことなく「トップをねらえ!2」に似てて、肌触りが「まどマギ」っぽいな、という分かったような分からんようなのが私のグリッドマン総括です。つまり大好きです!ありがとう!グリッドマン!

まだ、東の巨匠とは連絡とってないのですが、西の巨匠に「グリッド・・・」って言おうとしたら、「アクセスフラッシュ!」って書いた年賀状が来てました。やっぱさすがだなみんな。