慈眼寺 副住職ブログ

じてんしゃ、こわい?

政治家の中で、最も自転車寄りとされている谷垣さんが、大けが?をなさっているようで、大変心配しております。
政治信条としては、特定の支持政党はないのですが、谷垣さんのあからさまな自転車愛と、それをそれなりに上手に隠している部分には常々注目しておりました。

さて、今回のことで、「自転車って、危ないんだね・・・」「最近すごいスピードで走ってるもんね」「怖いね」みたいな会話がいとも簡単に成り立ってしまっているので、そこについて一言。

まず、ここ数年自転車ブームで明らかにスピードの出る「スポーツサイクル」が増加しているのは明らかですが、この10年間で、自転車の死亡事故は減少しています。

自転車事故の交通事故全体比は2割を切りさらに減少中(2016年)(最新)

死亡にまで至るケースのほぼ2/3は高齢者。「最近の若いもんがロードバイクに乗って・・・」というのはちょっと違う気がします。「自転車」といっても、ママチャリ、子供用からクロス、ロード、MTBと、色々ありますからね。さらに、「自転車死亡事故」と一口に言っても、その相手は大多数が自動車であり、これを「自転車事故」と呼んでいいのだろうかという疑問がわきます。

さらに下のページ、一応情報元を明記するために載せているだけですので、わざわざクリックしなくていいです。

1日に1人以上が自転車事故で死亡…統計から自転車事故を考える

色々危機感を煽って保険に入れという不純な動機のサイトなのですが、読めば読むほど「自転車安全!」と思えてきます。
「毎日1人が死亡!怖い!」←いやいや、年間500って、交通事故死者は4000人以上ですから。
さらに言えば、前ここで書いたことがありますが、日本の自殺者数は年間2万~3万ですので、「自転車乗るな!」より「話を聞こうか」と優しく話しかけた方が明らかに有効です。

道交法も改正されまして、自転車の車道通行もそれなりに浸透してきています。トラックの荷下ろしとか、あり得ないほど厳しく取り締まっていたのはいつのことか。あの壮絶な「駐停車狩り」の痕跡など、今やどこにもないことと比べれば、たいした見せしめもないのにみなさん自転車の方はよく法律を守ってらっしゃいます。あとはママチャリの逆走だけやめてもらえたら言うことないですね。

まぁ、自己弁護の理論武装みたいになってしまいましたが、私には第三者の弁護団なんていませんし、自分の身体は自分で守らなければいけませんし。とはいえ、まず、何を置いても、自転車通行時には特に気を付けて運転したいと思います。被害者にも加害者にも絶対になりたくないですし。

そして、数年前に顔を縫ったのにまた乗ってる71歳の自転車大好き谷垣さんの一日も早いご回復を心よりお祈りしています。いや、これは本当に思います。3代目以外は全員ちゃんとしてる「自転車名人」の5代目ですからね。元気になったら人目を気にせず、もう思う存分「実は高いデローザ、こんなに持ってるんだよ!」と自慢してほしいものです。まさか経費で落としてないと思いますし。