慈眼寺 副住職ブログ

琵琶湖

本日は、昼から久しぶりの自転車でした。
基本土日は仕事があるのでなかなか丸一日自転車というわけにいかず、100kmを越えるライドはなかなかできません。
今日も「とりあえずギリギリ100kmいけたらいいな」くらいの感じで行き先を考えまして、

「なんとなく、琵琶湖を見たい」

と思い、琵琶湖に行きました。
今日はお天気もよく、集団走行の人たちもたくさんいました。言うてる間にちょっと半袖ではきつくなってきますので、今が一番いいときなのかなぁ。田んぼは黄金色だし、風は気持ちいいし、林には「松茸とるな」と看板が立てられ、電流が流れる季節がやってきました。

今日は宇治川ラインを通って、気持ちのいい川面を見ながら進みました。ところどころに崖崩れや、道路がえぐられて通行止めの車線があり、こういうインフラ整備って大変だなぁといつも思います。

あっという間に立木観音さんにつきまして、そこからさらに石山寺に、本当はこの先もう10キロほど行きたかったのですが、時間がないので、昔きたカンを頼りに、膳所高校に行ってみました。
昔ディベート部の顧問だったときにお邪魔したことがあります。滋賀県ダントツナンバー1の京大進学率を誇るとんでもない秀才の集まる学校です。ディベートのときも美しい立論を仕上げてました。ディベートって、ただの口喧嘩と思われがちですが、実は全然そんなことはなくて、印象操作なんかでは誤魔化されない、エビデンスの積み重ねによる、ポイントの取り合いです。ただ、そのポイントの取り方にも色々ありまして、こう言っちゃなんですが、ディベートにも上品なのと下品なのがあるんですよね。下品なのは、格闘ゲームでいう下段キックをひたすら続けてるだけというか、野球でいうホームランバッターはランナーなしでも敬遠というか、要は、重箱の隅をひたすらつついてるようなの、あるんですよ。同じことをひたすら質問して時間稼ぎするとか、とにかく「論破したい」という相手を打ち負かす気持ちだけあるようなディベート。でもディベートって、「打ち負かす」じゃなくって「説得する」のが目的なんです。まずは審判を説得するんですけど、理想的には、ある問題に対する解決策を議論・討論の結果お互いでビルドアップしていくと言うか。そこにさらに論理的にこういうのはどう?とか、誰も思いついたことのない視点とか、そういうのを見せて、「それ、面白いな!」という、そういう勝負を超えたところがないと、少なくとも学生がやる意味は正直ないのかなと思っています。

だから、なんか怖い先生が後ろで見張ってて、そこで生徒がビクビクしながら、相手を威圧するための言葉を積み重ねるようなディベートを見ると、「品が無いなぁ」と心から思います。自分で指導してても、ときどきそのへん勘違いして入ってくる子がいて、なかなかわかってもらえませんでしたね。口喧嘩じゃないんだよなぁ。本当に、プラトニックなものだと、私は思っているのですけれど。

その点たまたま私が見たときだけかもしれませんが、ここの生徒さんは、本当にインタレスティングなことが好きなんだなぁと思いました。先生なんかそっちのけで自分たちで議論しあってて(いや、もちろん普段は指導されてると思うのですが)、敵より前に自分のチームメートと議論してる感じが熱かったですね。

ああ、なんか思い出が長くなりましたね。一回しか来たことがないのに、案外覚えているもので、膳所高校にはすぐつきました。京阪沿線はどこもいい味だしてますよね。こういうところ、通いたいもんですね。

琵琶湖

帰りに橋の上から撮りました。琵琶湖はなんかいいですね。子供の頃きたんだけど、よさが全然わからなかった。社会見学とか若い頃に行くとかえって「行ったことある」と思ってそこのよさを理解しないまま、行かなくなって、逆効果な気がします。奥さんもこの前初めて琵琶湖見て、ビックリしてましたからね。「これ!海やん!泳いではるやん!」って。あの人、「奈良時代」の「奈良」って「奈良県」のことだって、嫁いできて知ったんで、毎日発見だらけで楽しそうです。うらやましい。

昼からのライドで「100km超え」と、「琵琶湖見る」の二つの目的を果たせて今日はまぁまぁ満足でした。つかったお金はまるごとバナナ一本ぶんだけ。いい趣味ですなぁ!