慈眼寺 副住職ブログ

2015 コウノトリチャレンジライドin但馬

先日9月6日は、お寺にお休みをもらって城崎のサイクルイベントに参加してきました。
城崎温泉をスタートして、山陰海岸とその付近の山をぐるっと回って帰ってくる120kmのライドです。
コースはこんな感じ。http://www.geo-ride.com/course/

土日キッチリ休めるタイプでもないので、イベントにはなかなか参加できないし、レースに出るような速さもないので、今まで出たイベントは4時間耐久とヒルクライムくらい。こういう競わないイベントは初めてでした。前日泊はできなかったので、当日は夜中の3時に出発。ご近所の旦那さんが千鳥足で帰ってきたときに出発しました(笑)イベントにお誘いした同僚を乗せて夜中の高速をひたすら北上。城崎温泉につきました。

集合場所についてビックリ。

「あ!ココ、温泉寺の前やん!」

集合場所の城崎中学は、今年の4月に千手観音を拝みに行った温泉寺(http://www.nara-jigenji.com/diary/2827/)のすぐ近くでした。先月は京丹後行ってるし、こんな頻度で山陰に行ってる奈良人も珍しいのでは。今回は同僚の他、ときどき一緒に走っている仲間のS田さんとそのお友達もおられて、4人で仲良くライドです。頼もしい。S田さんはEASTONのモノごっついディープリムのカーボンホイールでご参加です。怖いです。会場で一番いかついバイクでした(笑)

当日は雨予報。降水確率は40%くらいでしたが、集合中に雨がパラつき、スタート!で軽快な音楽が鳴り始めると本降りに。アチャー。
中止などという空気は毛頭なく、城崎温泉に集まった800人の猛者たちはビッチョビチョになりながら順番にスタートしていきました。一斉スタートでは危険なため、1グループごとに1分30秒、5グループ出発すると5分開けてスタートします。しかし今日ばかりは待てば待つほど濡れて冷えてテンションが下がっていきます。来年以降に参加する方は注意ですが、知らぬ間に、スタート順の場所取りが始まっています。のんびりバイクラックにかけているとスタート順位はどんどん遅くなってしまうので早めに終わらせたい方は場所取りに注意が必要です。ただ、一番最初の30人に入るためには、前日受付での抽選会でファーストスタートのチケットを当てる必要がありますけど。まぁでもレースじゃなくて、楽しいイベントですし、急いで早くスタートする必要もないですけれどね。

こうしてすっかり濡れてドブネズミのように美しくなった我々。写真には写らない美しさはありますが、雨合羽的なものは誰も持ってません。一応、防寒用にアームウォーマーと薄い防寒着を用意していましたが、コレが良かった。中には完全に半袖しか用意していない方もおられましたが、ずっと寒さとの戦いだったと思います。当日は9月6日とは思えない最高気温17度、最低13度の天気で雨に濡れ続けました。特に峠を降りるときには悲惨だったと思います。同僚に「雨具要りますかね?」と聞かれ、「んなもん要らん要らん!走ってたら乾くがな!」と偉そうに言った自分の言葉が脳裏に蘇りました。特に重要なのが携帯電話。写真撮影はともかく、リタイヤやアクシデントのときにも重要な通信手段になるので携帯電話は必須ですが、雨に濡れたら大変です。私は防寒用のシェルジャケットの下のジャージの背中のポケットに入れ、なおかつ財布がわりのジプロックのなかに入れてましたのでその点は大丈夫でした。

いよいよ濡れまくってスタート。寒いのでとにかく飛ばして温まりたい。各グループの先頭には、全面協力のシルベストサイクルのスタッフの方々が審判兼ペースメーカーとして走ってくれます。だいたい平地で30km/h程度でキープしてくれます。審判は原則追い抜かないでくれとのことですが、平地はともかく、山間部でもニコニコとそこそこのペースで引いてくれますので、審判にずっとついていけるのはそこそこ以上の人でないと無理です。最初の峠で審判への追走は120kmもたないと実感しました(笑)長丁場ですから。

最初のエイドステーションでは梨が振舞われます。

城崎ライド1

もちろん20世紀梨。美味しいです。他にもおこわやそうめん、チョコがもらえたり、栄養ゼリーが貰えたり、給水所でも何かと貰えます。このイベントに限っては、特に補給を用意しなくても大丈夫と言っていい贅沢さ。

エイドステーション(AS)で栄養補給したらいきなり本日のKOM(King Of Mountain)、つまり一番高い山。神鍋高原に挑みます。コレがそこそこキツい。斜度はきつくても8%くらいですが、結構ダラダラ長いので結構気持ちが折れます。案の定夏場あまり乗れなかった私はアッサリグループを脱落。「長丁場・・・長丁場やで・・・」と心でつぶやきながら一人で遅れまくってしまいました。

神鍋を過ぎるといいところで給水所。みんな待っててくれました。そこから一気に下って黙々と進みます。雨は全く衰えず、顔にバチバチ当たります。先行車の跳ね上げの水がばんばか顔にかかりっぱなし。口のなかにはときどき砂も入ってきます。警報が出ていいレヴェル。たまにくるトンネルが天国。普段は怖くて嫌なトンネルがこのときばかりはオアシスでした。とはいえ、人間慣れって恐ろしいもので、濡れるのが当たり前だと、もうどうでもよくなってきます。「なんか小学校の時のプールみたいー」とか思い始めてなんだか楽しくなってきました。そうなんです。お坊さんの修行も水をかぶるのとか、見た目ほどきつくないんです。しんどいのは一日6時間くらいしてた正座だったんですよねー。敢えていうなら、靴がぐしょぐしょなのが一番気持ち悪いので、その点だけ防水カバーとかあればよかったかなと思います。まぁ、全身濡れて足だけ乾いてるのも変ですけど。

二つ目のASでは、バナナとおはぎがいただけました。おはぎもおいしい。

城崎ライド3

トイレも十分に用意されていまして、女性参加者が大幅に増えたりしない限り大丈夫な気がします。

さて、このあたりを過ぎると、だいたい走ってる人のスピードが揃ってきて、休憩所で会うメンツがだいたい一緒。またあの人だなという人ばかりです。S田さんはときどき車載カメラで撮影をするために立ち止まったり自由にされてますが、私がどんなに先行しても結局最後にはディープリムの怖い音が聞こえてきて「追いついたっと」と真後ろにいてます。怖いです。

逆にS田さんに先行してもらってあとについたときは本当に楽です。ガシガシ踏むわけでもなく、シャカシャカ回すわけでもなく、力の抜けたフォームで一定のリズムで刻んでいかれます。ついていくと本当に楽。気持ちいい。年明けに50歳になる人とは信じられません。雨の過酷な環境の中、黙々と、渋い走りで俺たちを導いていきます。手信号もさりげなくて渋いです。途中から自分が自転車に乗っているのも忘れ、ただただS田さんの命令通り動いているような気分になってきました。そういえばうっすらとS田さんのヘルメットにツノが生えてきたような・・・。隊長機!隊長機や!アレはジオンのMSの隊長機や

城崎ライド8

まぁさすがに生えてませんが、「あらしのぉ~中でかがやいーて♪」とか「しにぃ~ゆぅく おぅとこたちは♪」とか脳内BGMで流しまくって小隊長のあとをついていくと、最後のASに無事つきました。

  城崎ライド6
鳥居が目印です。ここで最後なのにASではブドウやららちくわやら食べ放題です。こんなに至れり尽せりなもんなんでしょうか。ブドウ旨かったなぁ。

最後に軽い峠を越え、海沿いに戻ってきます。今回、「晴れてたらもっと綺麗な景色だったんだろうな・・・」と思う瞬間はいっぱいありましたけど、そんなドリカムみたいな感想を述べる余裕は全くない男臭い戦場チックなライドでした。こんなのでしたが、しっかり完走してるチネリのイクスペリエンスのほっそりした女性とかいて心底尊敬です。スゴイっス。

なんだかんだで楽しんで城崎温泉にゴール。ここでは完走祝いにお茶とカレーが振舞われます。

城崎ライド4

そして完走記念として大会記念Tシャツと城崎温泉外湯の無料入浴券と小さいお風呂用タオルまで!
どんだけ至れりつくせりやねん!な大満足な大会でした。

言い忘れましたが、沿道では付近の方々が雨の中手を振って応援して下さり、交通規制はないものの、ドライバーさんも概ね優しく我々を避けていただけて、但馬人の優しさも満喫しました。ありがとうございました。

来年は、晴れたらいいね~♪