慈眼寺 副住職ブログ

春よ、来い。

大寒も過ぎ、少しずつ暖かい日も増えてきました。

奈良ではこの時期寒い日があると地元の人が必ず言う「奈良あるある」とでも言うべきセリフがあります。奈良の人はもうわかりますよね?(笑)

「お水取りが終わるまでは、春は来ませんねぇ。寒い日がありますねぇ」

コレです。

若い人はあまり聞かないかもしれませんが、中高年以上の人は冬になると聞くし、知らない間に自分でも使ってしまって、「ハッ!俺もそんな年になったのか・・・」と思うセリフです。

同様に、慈眼寺へお参りして頂ける方々はこれにさらにもう一つ「慈眼寺あるある」がありまして、それが 

「二の午が終わるまでは春は来ぇへんなぁ。寒い日があるなぁ。」 

です。パクっているわけではないのですが、お水取りの時期と、慈眼寺の三月の二の午の時期がちょうど同じですので、こういうことが言われるわけです。「早春賦」という歌がありますが、三月はまさに「春は名のみの風の寒さや」と言いたくなるような、突然の雪や寒さが気を抜いた頃に襲ってくる、それでも春の足音は確かに聞こえている、そんな時期でもあります。

 丸太2  丸太1

いよいよ1月も終わりに近づき、初午が近づいてまいりました。一年の厄を焚き上げる護摩壇の丸太が届いております。年明け以来、平日、休日を問わず、たくさんの方々にやくよりのお参りをしていただいております。ありがたいことです。

 今日は小春日和、とまでは言いませんが、良いお天気に恵まれて青空がきれいです。ちょっと本堂裏の柿の木の写真を撮りました。

 柿の木1 柿の木2 柿の木3

樹齢400年、3階建て相当の高さを誇る巨樹です。夏の葉が茂った頃も美しいですし、もちろん柿がたわわに実った時期も美しいですが、冬に葉を全て落としてこうして寒さに耐え、枝々が天を掴んでいる姿もやはり力強く、美しく思います。受験生の頃はこの柿の木のすぐ下で毎日勉強していました。気持ちがふさぐと窓から出て屋根に登り、柿の木の間近に行って、遠く聞こえるJRの鉄橋を渡る音を聞いたりしていました。受験生は今まさにセンター試験が終わって、私立、国立の二次試験に向け、最後の追い込みをしている頃です。やがて必ずくる春を迎えるために、寒さに耐えて自分がどこまで届くのか、目一杯手を伸ばしている姿は、やはり美しいと思います。頑張ってください。春は必ずきます。