慈眼寺 副住職ブログ

天川伝説パンク事件(前編)

添い寝しぃて~夜明けまぁで~抱いてい~てぇあ~げるぅ~♪

お坊さんにあるまじき歌い出しで始まりました。

先日は、滅多にないお寺オフ!住職も足がほぼ治っており、丸一日乗り放題!・・・のはずが、中途半端に夕方に用事が入り、微妙に計画が狂った私。もともとは自走大台ケ原を計画しておりましたが、5時までに帰宅は確約できない。何があるか分からないのが大台ケ原であります。Ragazziの店長に前日話すと「そうだよな。パンクとかしたら読めないもんな」との一言。これが運命的な言葉になりました。

早朝4時に起床。軽く朝食を食べ、5時に出発。今回の目的地はとりあえず天川村!
あの映画「天河伝説殺人事件」の舞台になった村であります。雰囲気だけ金田一っぽくしたけど、トリックもクソもなくって、因習も中途半端な駄作映画(原作も)の舞台ですが、自分の村が殺人事件ネタになるって、どんな気分なんでしょうか。ちなみに私の友人の友人の故郷は「湯殿山麓呪い村」の舞台になったそうで、実家が「呪い村」なんて、インパクトが強烈ですよね!

実際の距離は70キロいかない程度ですが、往復140㎞でまぁあとは様子を見て、行けるだけ行くか、それとも帰りに都祁村や東吉野村経由というのもアリだなと。

今回の目的の一つとして、前回自走大台ケ原にいったときの川上村などを通る169号経由の大台ケ原ではなく、黒滝村~天川村を経由して309号ルートで上北山村に至るルートを途中まででも走ってみる、というのがありました。前回自走169号でトンネルの多さにどんびきしちゃったので、もう少しトンネル少ないルートないかなって。

早朝交通量の少ない24号をひたすら南下すると、あっという間に高取あたりまできちゃいます。余裕です。それでも24号はなんか楽しくない道ですね。車で走るぶんにはいいのですが。ここから大淀に抜ける長いトンネルを抜けます。前回はこのトンネルを嫌って多武峰越えをしたら、もっと長い新鹿路トンネルがあって泣けたのを思い出します。

ここからさらに169号で行くならどんつき左折ですが、今日は右折。川上村方面へ。

左折すると川沿いの道で金峯山寺の方なのですが、はじめてきたこっちの方向は、ずっと風情があるというか、下市の古い町並みが道沿いに眺められて、むしろこっちいいやん!と感動のルート。あっちの169号はそれこそ車でいけば快適なのですが、「山!川!ダム!俺!」という感じで自然と巨大建造物が人間を圧してくる感じ。こっちはかなりヒューマンサイズのルートで癒されます。

とはいえこっちもそのうちすぐに山中に突入して、あっという間に黒滝村に。

なぜだかデイリーヤマザキの屋根がタイのチェンマイのような風情で不思議です。

ところで、こういう山中に入ると99%「イノシシ推し」なんですが、結局日本中田舎はイノシシなんで、ちょっと攻め方考えないとキツイ気がします。牛のように「ここの牛はうまい!」というご当地感出して行くべきだと思いますね。しかし牛なら「神戸牛(ぎゅう)」とか言えますけど、「猪(ちょ)」ってちょっと微妙ですね。「くろたきちょ」とか「たんばちょ」とか、「新手のおバカタレントか!?」とか思っちゃいます。

こんな場所にもすごく立派な南都銀行が!南朝支配下ですので、ある意味これぞ「南都銀行」なのかもしれませんが、それにしても立派!

このまま黒滝村を過ぎていよいよ天川村へ!

と、言いたいところですが、天川村の直前にすごい長いトンネルがダブルで!新笠木トンネル(1,693m) と新川合トンネル(2,751m)!

特に二発目の新川合が長い!169号の360度回転するトンネルに比べればマシではありますが、トンネルを避けた結果またトンネルが!このへんでトンネルを通らないでおこうなどというのが土台無理な話か。

しかしこのトンネル、けっこう交通量も多く、トンネル対策はかなりやっている私としてもかなりの恐怖。自転車で山中のトンネルを走るとみんな経験すると思うのですが、後ろからの車の爆音が怖い。とにかく怖い。対面車両ですら怖い。法的には完全に通っていいのですが、中には「なんでこんなとこ走ってんだ!」みたいな車がまれにあります。だいたいは、かなり後ろからテールランプを見つけてくれてかなり右へ寄ってくれるのですが、ときおり無灯火で突っ込んでくる車もある。

「大丈夫・・・だよな?気づいてるよな?」

と思いつつも、

「コイツ、マジで気づいてないんじゃないか!?」

という気配の車がいて、とにかく怖い。そして突然気づいてクラクション鳴らしてくる人もいるんですよね。新笠木は相当暗いのでなかなか気づかなかったらしく、鳴らされてしまいました。法的にはこうするしかないし、そもそも原チャとか走ってても同じことなんだけどな・・・。鳴らされてもこっちは「南無三!」と祈るだけだしな・・・。確かに申し訳程度に歩道のような路肩があるのですが、本来はここは歩行者のところ。逆にライトなしの歩行者が万一走っていた場合、私が加害者になってしまいます。さらに滅多に誰も歩かない路肩はゴミや落し物が散乱していたりすることも多く、この日は車のホイールまでありました。こんなもんが転がってる暗くて細いとこ走るなんてもっと怖い。自転車レーンを作れ、とは言えませんが、なんとかならないかなぁ。

二つの長いトンネルを越えるとそこはもう天川村!添い寝しいてぇ~♪(もういいって。)

数々のブログで紹介されている、疑似ローソンが目印です。「食料品・ビール・おみやげ」はともかく、「おとり」が違和感たっぷり。

天川村についたものの、何というか、「ゴール感」ゼロ。ここが天川村や!というランドマークのようなものが、全然ない。疑似ローソンではちょっとさすがに・・・。天河伝説殺人事件ネタのタイアップ商品も全然なさそうだし・・・。やっぱり映画全然ヒットしてないし、そもそも浅見光彦とかいつも何もしてないし・・・。

到着時間も早いし、せっかくだから、ほんのちょい先の洞川温泉へ行くことに。

これがよかった。

大峰山の行者さんの宿場として栄えた町なのですが、風情たっぷり。夜の夜景が有名ですが、昼間でもすごくいいですね。

ちなみに夜景はこんな感じだそうです。(関西電力さんのHPより)

http://www.kepco.co.jp/brand/citylights/dorogawa/より)

ここは是非家族で泊まりたいと思いましたね。島根の温泉津温泉以来のヒットです。泊まりたい!

自然もいっぱい、というか、ほぼ自然

本当はこのまま温泉に泊まりたいところですが、なにぶん時間が中途半端。

さてどうするか。

このまま帰ったら早すぎる。温泉入ってもまた帰り汗かく。早すぎて食事のお店もまだ空いてない。どうするかなぁ~。

いってみる?309号?

いってみる?上北山村?

あわよくば、いってみる?大台ケ原?

 

トラブルがなければ、行けなくもないけど・・・。

そう思ったのが、運の尽きでした・・・。

このあと、天国から地獄へ突き落されることに・・・。

いい夢を見なさいな。うたかたの夢を~♪ってなわけで、後編につづく!