慈眼寺 副住職ブログ

サオリーナ

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017100100333&g=spo#cxrecs_s

三重県津市にすごい体育館が誕生した模様。サブアリーナ併せてバスケコート計5面、バドミントンコートにして計26面!でかい!
やはり吉田沙保里の知名度がすごいのと、この地域のレスリング熱の高さが達成させたのでしょうか。三重県はオグシオの小椋選手も出身ですしね。川越ですけど。

しかしそのわきで、ひっそりと閉館する、前の津市体育館。

http://www.sankei.com/region/news/170928/rgn1709280066-n1.html

昭和41年完成、なんてサラッと書いてますが、本業以外で超有名な体育館でありました。
よくお勉強している高校生なら政治経済か現代社会で覚えている、「津地鎮祭訴訟」であります。

この津市本町の体育館を建設する際、市が地鎮祭を行い、神主さんに7663円(神主さんには4000円。残りはお供え。)を渡したところ、当時の市議会議員が「政教分離に反する!」損害賠償を求めて訴訟。

第1審では敢え無く棄却されるも、なんと2審で勝訴!しかし最高裁では

「宗教とかかわり合いをもつものであることを否定しえないが、その目的は建築着工に際し土地の平安堅固、工事の無事安全を願い、社会の一般的慣習に従つた儀礼を行うという専ら世俗的なものと認められ、その効果は神道を援助、助長、促進し又は他の宗教に圧迫、干渉を加えるものとは認められないのであるから、憲法二〇条三項により禁止される宗教的活動にはあたらない」

と判断され、憲法違反ではない、と判断された事例です。ちなみにこの訴訟と一緒に出てくる愛媛玉ぐし料訴訟は違憲判決出てますので、この津地鎮祭との違いを抑えておかないとテスト間違っちゃいます。

昭和40年の話なので私は生まれていませんでしたが、のちに津に旅行した際、現地のバドクラブの練習に参加し、ここで打たせてもらったときに、「ああ、ここがあの津地鎮祭訴訟の・・・」と感慨深く、ゲームは結構適当にやってしまったのを思い出します。

コレ、市長なりなんなりが自腹でやったら問題なかったんでしょうが、7000円やそこらで最高裁までって、のんきな時代だなとも、いや、逆に殺伐としてんなとも思いますね。いや、金額の問題じゃないか。

しかし教科書に出るくらい有名な体育館なのに、そのことに触れるニュースがどこにもなし。せっかく政治経済の勉強になるんだから、もっと大々的に「最高裁まで揉めたんやにーアリーナ」(この地方の語尾は「にー」です)とか面白い名前をつけて存続してほしかった。やはり負の歴史は消したがるのか・・・。

しかししかし。奈良市の体育館や陸上競技場が全然新造できなくて、国体も他の自治体の施設使ってることを思うと、うらやましい限り。津ってすごいお金あるんだなぁ。奈良の方は今ちょっとスタバとか作って池の周りを工事してますが、抜本的なことから目をそらしているだけでは・・・。ハコモノ行政って揶揄されますが、ちょっとそのへんのインフラ、奈良はかなり弱い気がするんですよね。プロチームなんかはまさにその「ハコ」がないから観客収容人数とかの関係でスタートが切れなかったりするわけで。

県庁所在地でありながら、観光客も毎日いっぱい来ながら、本当に奈良はのんきなまま。案外山間部のほうがインフラ整ってたりして、どうなっとんやという気もします。やはり企業がないから?景観の制限があるから?(その割に綺麗な街でもないけど・・・)、遺跡が出るから?

すごい怒られそうなんですが、「さすがに三重と和歌山には勝ってるやろ」という「脳内近畿ランキング」が奈良人にはある気がして(私だけ?)、でもそれって大阪・京都に対する負け犬根性なのではないかと思ったり。そんでまた実際に行ってみると、「田舎」だと思ってる街の方がよほどおいしいものがあったり、インフラ整ってたり、ショッピングセンターが充実してたりして、アレ?県庁所在地に映画館ないとか、ヤバくない?とか焦ってしまう奈良人であります。やればできるハズなんだけどなぁ・・・。

かくなる上は、奈良の女帝くるみの木に奈良県をまるごとプロデュースしてもらい、奈良県をその都会度で「くるみの木」「くるみの林」「くるみの森」の三段階に分け、オシャレでナチュラルな自治体にしてもらえないものか。どっかの党よりは希望がある、気もしないでもない。