慈眼寺 副住職ブログ

やっててよかった

先日、指導クラブに関してうれしい話が。

ちっとも勝てないクラブですが、先日、いつもお世話になっている大阪のバドショップさんから、ご厚意でたくさんセミシャトルをプレゼントして頂きました。セミシャトルとは、すでに使用したシャトルですが、たとえば大会で使ったあとのシャトルなどは、基礎打ちやノックで使えます。特に、わりとお年を召した方々の使用後のシャトルは、高校生からすれば「え?これ、そのまま試合で使えるやん!」と目が輝きます。おじいさんおばあさんにはただのゴミでも宝の山なんですね。とはいえ、他にもごひいきの学校はたくさんあるでしょうに、わざわざウチのクラブにプレゼントして頂けました。本当に有難いことです。ネットならヤフオクなどで普通に売っているものです。

生徒に渡すときには、くれぐれも、お店に感謝をして打てと伝え、感謝をちゃんと伝えることが大事やぞ、お店以外にも、勉強以外のことにお金と時間を使わせてくれる親御さんに感謝をちゃんと伝えなあかんよと言って渡します。

すると先日、お店からメールがあり、この前、ウチの男子が5人くらいでおとずれ、シャトルへの感謝をしっかり伝えてもらって感激したとのことでした。

こういうことがあるのが、本当に一番うれしいと思います。勝てなくてもいいんですよ。生徒に怒られるかもしれないですけど。

すごい強くてもしょうもない人間性の人はいっぱい、いますから。ああいう人たちはコートの上でしか楽しめない、かわいそうな人たちだと思います。

結局、「上手いからやってる」人は勝って人を倒して喜んでるだけで、本当にそのスポーツなり、なんなりを楽しんでいるとは言えないと思うんです。勉強もそう。点数がいいからやるんじゃない。それ自体が楽しい。そしてそれをやる前とやったあとで、自分が変わったことを実感できるから楽しい。

「そういうもの」がある人は、どんなことにもチャレンジして、何かをつかんで、どんどん人生を豊かにしていく人だと思っています。負けたって何かを得ているわけです。逆に勝っても勝っても満たされない人は、かわいそうな人です。そんな人を何人か知っています。彼らはバドミントンが好きなのではなく、コート以外の場所に居場所がないだけです。

もちろん、部員も私もまだまだで、もっともっと高い要求をすべきではあるのですが、入ったときのことを思うと、彼らの成長に驚きます。去年一年は怒ってばかりでした。怒ってばかりの奴らがちょっといいことをしてると、無性に褒めてやりたくなってしまいます。男の子はそのへん素直ですからねぇ。

「男子三日三日会わざれば、刮目して見よ。」

と言いますが、男の子はごくたまにこういうことをしてくれます。バカで臭いですけど、かわいいですよね。

彼らは彼らなりに、与えられた環境の中で、できる限りのことをして、そしてまわりに感謝することをおぼえながら、コートよりもっともっと広い世界へ、一歩ずつ踏み出していってほしいものです。心からそう願っています。