慈眼寺 副住職ブログ

善導忌2016

本日は兼務させて頂いている都祁村来迎寺の一年で一番大きな行事、善導大師の命日の法要、「善導忌」でした。

本当は3月14日が命日なのですが、来迎寺ではこの時期に行っております。なぜかと言いますと、このあたりはかつては雪深いところで、3月の行事は路面凍結も含め、足場がおぼつかないということ。さらに農家が多いこの地方で、稲刈りがそろそろ終わるようなこの時分が最も法要に適した時期であることなどから、半年後のこの日になっております。まぁ、法然上人の御恩忌も本来冬のものを春に行っておりますし、こういうことはそれなりにあることでございます。

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そういうわけで、来迎寺の真ん前の田んぼでは、奈良市街では考えられないくらい早く、稲刈りが終わっています。

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落慶法要で綺麗に整備した石段も、あっという間にいい感じに苔むしてきました。

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何度も書いておりますが、来迎寺は多田源氏の菩提寺。こんな巨大な石塔がズラリと並びます。

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恒例の善導忌ですが、今年は少しだけ趣向を変えております。
ここ数年、毎年布教師研修所の皆様に来ていただいてお説教をして頂いておりましたが、今年は住職のお友達が、琵琶の演奏をしていただけるとのことで、わざわざ遠くから、奈良のこんな山奥まで来ていただきました。

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演目は『敦盛』。

ここは源氏の菩提寺。しかしながら、だからこそ平氏にもゆかりの地。源平合戦で平氏を討った源氏は、平氏を弔う気持ちを持ち続け、ここ、来迎寺には敦盛供養塔がございます。まだ高校生くらいの年代で平氏から源氏に移った熊谷直実に涙ながらに討たれた敦盛。直実はこれをきっかけに出家し、その遺骨は京都西山の総本山光明寺にあります。源氏の菩提寺であり、西山浄土宗の来迎寺で、敦盛供養塔を背後に響かせる『敦盛』の琵琶。
まことに当地にご縁ある歌声が、朗々と、寂しげに響き渡りました。

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そのあとは私、不肖副住職のお説教。
実は、細々とやっておりましたお説教ですが、このたび初めて!自分のお寺や研修会以外で、正式にご依頼を賜り、よそのお寺でお説教をさせて頂くことになりました。実はもう来週に迫っておりますので、その直前練習・・・と言ったら失礼なのですが、馴染みの檀家様の前でリラックスしてお説教させて頂きました。当日は緊張するだろなぁ。

正式に呼んでいただいた、とは言いましたが、布教師としてはまだ一番下っ端。ご近所の先輩のお寺にお声がけして頂いたので、まぁちょっとコネ入学のような感じでございます。だからといって気が楽な部分は全くないのですが、これをきっかけに、見ず知らずのお寺にもときどき呼んでいただけるような、そんな第一歩に、なればいいなぁ、なんて考えたら、お腹が痛くなってきました。大丈夫か、俺。