慈眼寺 副住職ブログ

さんぽ

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先日、何の気なく自転車と景色を撮った一枚です。新型カメラで撮影してみました。
バーテープが汚いですね。今年中に替えるつもりです。

奈良から、生駒まで行き、そこから田原を経由して枚方方面に向かい、途中で京都方面に方向を変えて、打田の峠へ。そこから下っている最中、田園風景に心が和みました。

散々見てきた田舎の景色なんですが、空が、青くて、青くて。

気持ちのいい自転車散歩でした。

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さいきん娘がトトロの「さんぽ」をよく歌います。あの人、トトロ見たことないんですけど。

いつの頃からか、この歌を聞くと、泣いてしまうようになりました。

なぜだか分かりません。

娘はそれこそ元気、元気、元気のかたまりで、一点の曇りもない元気さで、手を振りながら歌います。

舌っ足らずに、でも、元気に。

 

あるこう あるこう わたしはげんき

 

いつもここで鼻の奥が痛くなります。

なぜなんでしょうか。

じぶんのげんきを疑いもせず、まわりの人間も、いつもげんきだと思えていた頃の自分をそこに見てしまう。毎日毎日失われていく、いつか根こそぎ失われてしまうかもしれない自分の「げんき」。そのことを知ってしまった大人の自分には、目の前の、娘の”げんき”は、あまりにまぶしくて、同時にはかなくも感じられ、なんだか泣けてしまうような気もします。

だからといって、この歌を聴きたくないわけではないんです。

なんでしょうか。歩ける、歩けないではなく、もう歩けない、歩きたくない、そんな自分を振り払って歩こう、歩こう、と自分で自分にエールを送っているような、そんなから元気というか、つらいこともくるしいことも、一周回った明るさというか、生きることへの勇気みたいなものを、井上あずみさんの声から感じ取れます。インタビューとか読んだことないので、完全に私の中だけの気持ちなんですけれど。

 

あるこう あるこう わたしはげんき

 

娘がいつか必ず出会う、歩けない、歩きたくない、というつらい気持ち。そういうときにも、このまっすぐな目で、前を向いて、手を振って歩いてほしいな、なんて思いながら、鼻の奥をツーンとさせながら、横で歩いています。ペダルを漕いでいます。