慈眼寺 副住職ブログ

ドグマ!カッチカチやぞ!

さて、このブログでも触れましたように、TOJ京都ステージが来年5月、京田辺で開催されます。
普段はのどかな田園風景の街ですが、自転車レースで官民一体となって盛り上げていきたいようです。主にロード乗り的に。

そこでTOJのコースに一番近いお店、三山木のラガッツィさんにお声がかかりまして、産業祭というイベントで展示をなさるそうです。
展示の目玉は、あの!PINARELLOのD・O・G・M・A!

DOGMA F8&K8-Sです!!! 

スゴイ!

ちなみに産業祭の詳細はこちらをドーゾ。
http://d.hatena.ne.jp/Ragazzi/20151105/p1

ラガッツィさんとは最初からお付き合いがあったわけではないんですが、友達のロードバイク購入のために遊びに行って以来、店長の人柄に妙に惹かれてしまいまして、たぶん今や奥さん娘の次に一緒の時間を過ごしている人になってしまいました。紆余曲折があって自転車屋さんを開かれた方ですので、自転車へのアプローチが少し普通の自転車屋さんとは違います。とても面白い方ですが、腕も確か。ママチャリからMTB、ロードまで、なんでも扱ってくれる街のドラえもんです。産業祭では、等身大の自転車選びと言いますか、自転車の楽しみ方を広げてくれるようなお話をしてくれると思いますので、是非遊びに行ってあげてくださいね~。

と、いうことで、いつも遊んでいる場所に、今、あのドグマが。正直ピナレロ好きじゃないけど、ちょっと興味あるなぁ~。

と、いうことで今日、行って、ダメもとで「試乗・・・可?」と聞いてみたところ、

「ん?ええよ。」

まさかのアンサー!ドラえもん最高や!(※産業祭当日の試乗はできないとのことです。乗りたい人は買ってください。)
サイズ的にOKだったのがDOGMA F8。サイクルモードから帰ってきたばかりだそうです。

dogma_f8_9

コレッスか?コレに乗るんスか?俺が?

定価は?ななな70万?フレームのみ?バカァ!?

そして・・・

 

ジャーーーーーーン!!!

ドグマ1

オーマイガッ!
Di2!電デュラ!30万!
ホイール、レーシングゼロ!20万!

70+30+20=120万!

し、新車!新車買える!マーチとか買える!怖い!あうての損保でどうにかなるのかコレ!?怖い!怖い!
120万の背景が京田辺の田んぼ!凶悪!

まずはルックスをどうぞ。

ドグマ2 ドグマ3

 個人的にピナレロが好みじゃないと言いましたが、その理由の1つがピナレロのアイコンともいうべき、オンダフォーク。
しかしF8では大胆にもオンダフォークを封印。
開発者が「ONDAもいいけど、もっとカッコよくて、もっと速い方が、もっといいだろ?」と、言ったとか言ってないとか噂のフォークは、なんだかスゴイ、アーチ構造。

ドグマ4 ドグマ9 ドグマ12
この大胆なクリアランスがかえって空力性能を上げているとか。まるで高速道路の橋脚です。

ドグマ6

もう一度見てみましょう。

全体的には非常にシンプルな作りにすら見えます。東レ T1100 1Kカーボンという聞いたこともないカーボンを使用して、フレーム重量は890gとか。風洞実験などでジャガーに技術協力を受けたとかで、ピナレロ+東レ+ジャガーのゲップが出そうなトリオが作り出した、とにかくスゴイバイク、としか言いようがない代物であります。

ドグマ10

しっかりジャガーの文字が入ってます。

 

で、いよいよインプレ。

数キロ乗っただけですが答えはシンプル。

カッチカチやぞ!

コレは、無理!スゴイ!スゴイけど、スゴイから無理!
フレームは鬼硬いわ、デュラのクランク鬼硬いわ、レーシングゼロ鬼硬いわで、柔らかいとこゼロ。いや、違う。

乗り手だけフニャフニャ!

ビクともしません。
とにかく軽い。とにかく進む。進む進む。不快なほど進む。走れ、走れ、走らんかい、踏まんかい、気張らんかいと迫る。結果、すぐ脚が限界に。

レース機材です。

完全にピュアレーシング機材です。ロードバイクってそもそもそういうものなんですが、ここまで明確に打ち出されると、スイマセン!という気になります。剛性の鬼。

ドグマ7   

もうガッチガチですわ。コレは跳ね返される。

結論。

コレは無理。

ただし、このバイクがダメなのじゃなく、私がダメ。

喩えて言いますと、家に帰っておかんがシャロンストーンだったらどうですか?奥さんがアンジェリーナジョリーだったらどうですか?嬉しいですか?

たぶん、生きた心地がしないですよ。

いいものはいい。だが、手に余る。これはフルームやウィギンスのためのもの。200キロを平均40キロ以上でずっと3週間走るバケモノのためのものです。40歳の普通のオジサンが乗るものじゃない。完全にオーバースペック。非情の戦力外通告。それがドグマです。

ドグマF8が向いている方を想定すると・・・

①ツール・ド・フランスで総合優勝を狙う方

②普段は全く乗らずに「俺ドグマ持ってんだぜ」という自慢だけしたい方

③俺にはバリバリのレース機材は必要ないわ・・・とスッパリ諦めたい方

以上の3種類になりますね。

と、いうわけで、

「俺の愛車が一番や~」

と満足してもっさり感を愛おしく思える思わぬ副作用をもたらしてくれた、ピナレロのフラッグシップモデルなのでした~。