慈眼寺 副住職ブログ

コスパ最強のジャイアント エスケープに敢えて対抗馬を探してみる

さて、では実際にどのようなクロスバイクを購入するか、その候補を紹介します。

無敵の国民車

それではエントリーナンバー1番。まずはあらゆるクロスバイクの基準になる一台。GIANT ESCAPE r3です。
http://www.giant.co.jp/giant15/bike_datail.php?p_id=00000060

giant escape r3

あれだけ前回引き合いにだしておいて載せないのは失礼ですからね。
実にスキのないパーツ構成、スケールメリットを存分に生かした52000円という価格。色々な比較記事がネットにありますが、いわゆる「コスパ」という点でみて、escapeに勝てるクロスバイクは存在しないと断言できます。自転車業界で2大巨頭のSHIMANO、GIANTという王・長嶋、馬場・猪木がタッグ組んでるわけですから勝てるはずもないです。サラリーマンの通勤用と考えた場合、ほぼ一択と考えて間違いない。選ばない理由は、「人とかぶるのがイヤ」という理由だけ。シンプルでスポーティーな外観は、まさにクロスバイクを求めている人のニーズにガッチリ合っています。

escape yellow

こんな色まであって、敢えてジャイアントっぽくないものを選びたい人までジャイアントを買うシフト。ほぼ自動車業界の「トヨタの敵はトヨタ」と同じ状態です。販売網の広さ、メンテナンスのしやすさを考えれば、「あさひでescapeを買って通勤で使う」という利便性に勝てるライバルはほぼ存在しません。

ただし、私個人としては、趣味に「コスパ」などという要素を考えねばならないのは、非常に無粋である、という考えを持っていますが。

英国風懐古趣味

続いてエントリーナンバー2。「RALEIGH ラレー ラドフォードクラシック(RFC)」です。
http://www.raleigh.jp/bikes/3072.html

RFC

いいですね。ラレーは本当に地味にいいものを毎年出します。2016年にはロードでステンレスの意欲作を出します。一代目のロードをラレーで、という方は多いのじゃないでしょうか。かぶらないし、オシャレだし、シンプルだし、安い。おまけにスポーツ感が前面に出ていないので街乗りに最適。
このRFCもクロモリフレーム、クロモリフォーク、コンポはクラリス級で手堅くまとめています。ホリゾンタルっぽいジオメトリに、ロードコンポ搭載で、エスケープよりよりロード方向に振った一台。正直、エスケープの対抗馬に76000円のRFCを出すのは卑怯というか、土俵が違うと言いますか、こっちは完全にフラットバーバーロードです。本来はラドフォードS(RFS:http://www.raleigh.jp/bikes2015/4269.html)を載せるのがフェアです。ですが前述のごとく、同条件ではほぼGIANTの圧勝。あとはもう、CENTURION、CANNONDALE、TREKくらいしか対抗馬はありません。ですので今回は同じグレードのクロスの細かい差異を比較するのではなく、純粋にいいなと思ったから紹介しています。

RFCのいいところはイメージに合ったクラシカルな泥よけもオプションで装備可能で、前カゴ後ろカゴをつけてもサマになるというところ。このシックな装いから、女性が購入するケースもかなり多いです。5万で済ませるか、7万まで出すか、悩ましいところですが、スタイルが気に入ったのならアリだと思いました。

エスケイプの最大の対抗馬。イタリアンブルーなアイツ。

エントリーナンバー3は、定番なのにここまで言及していなかったあの一台。GIOS MISTRALです。

mistral_gb
http://www.job-cycles.com/gios/collection/detail/cyclocrosstouringurbanbikeseries/mistral/

MISTRALは価格的にもグレード的にも、escape r3の対抗馬としては最もよく引き合いに出される車種です。エスケイプのあまりの多さに、ちょっとそこは外したいなとか、ちょっとクラシカルにというニーズをうまく狙ったボリュームゾーン。GIOSが本気出してないときにはブルー以外のカラーリングが豊富ですが、これもばっちり常時三色展開。とくに白は女性に人気ですよね。心斎橋でよく見ます。

そもそもGIOSは各グレードにうまくちょうどいい自転車をバッチリ構えていて、さきほどのRFCあたりと比較して3000円だけ高いけどコンポがワンランク上っぽく見せている(けど、実際は色々混ざってる)AMPIO(http://www.rinya-bun.com/gios/207ampio.html)や、逆に少し安い6万円代のPURE FLAT(http://www.rinya-bun.com/gios/22pureflat.html)などがあります。西部戦線において強大なGIANTと真っ向勝負をしながら、東部戦線でクラシックの覇権をラレーと争うという抜け目無いGIOS。利用できるものは裸のおっさんでも利用してやるとばかりの思い切りのよさもあります。これはロードにおいても同様です。おまけに、有名な「GIOSブルー」一色で塗り込まれた車体は、メタルフレームだとGIOS所有者ですら、ほぼどのグレードか判別不能という「天はGIOSの上にGIOSを作らず」的な平等思想が素敵です。まぁこのへんの商売上手さがちょっと鼻について、さきほどは敢えて真面目で不器用なラレーをピックアップしたんですけど。

で、くだんのMISTRAL。基本的にエスケイプに文句がなければコイツにもあるはずはないのですが、一つだけ悲しいのが、やはりクランク。GIANTと割り切ればともかく、少しクラシック風味のあるGIOSにあのFC-M171のクランク・・・。

shimano-fc-m171-chainset

コレだけは妹がなんと言おうと我慢ができない・・・。そのへんはGIOSも確信犯と言いますか、これ以上のグレードではしっかりスギノのクランクを使ってるのですが、ここはやはり西部戦線激戦地アルデンヌ。物量に勝るGIANT軍を迎え撃つため格好なんかに構っていられないのであります。

とはいえ、価格的にもスタイル的にも、妹にプレゼントするクロスバイクとしては最初からMISTRALが最右翼。ベタだなぁと思いながらも、MISTRALの白かなぁ。結局そうなるよなぁ・・・というのが正直なところです。

ストリート風味をもう一台。MASIでもCINELLIでもなく、カラミータで。

最後に今回の妹へのプレゼントという趣旨に反するのですが、シンプル・イズ・ザ・ベストなマットブラックな感じで、なんの飾り気もない自転車を一発。
アクションスポーツのカラミータ チャオです。https://www.actionsports.co.jp/calamita_p_10.php

ciao_mbk

どことなくストリート系の香りもするフロントシングル。街乗りなんだからフロントなんかシングルでええんや!という潔さに、「いいのか?いいのか?そうか、いいのか!坂なんか押したらええんや!」と目からウロコの一発。パッと見、ピストにさえ見える(?)シンプルさがカッコイイですし、よくよく考えれば女の子が使うわけですから、フロントのチェーンが外れて、手を真っ黒にしてはめ直すなんてことしなくていいに越したことないわけです。どうせ整備なんてロクにしないんだから。完全街乗りなら26インチで十分。本気過ぎず、シンプルで細身でホリゾンタル。いかにも外人が乗ってそうな雰囲気プンプンします。まさに引き算のクロス。そうや。引けばええんや!それもクロスなんやから!

再び引き算のクロス

先ほど触れた「引き算のクロス」という考え方はなかなか重要です。前回述べたようにクロスには「足し算」の要素と「引き算」の要素があります。前提として5万円以下などと思いっきり引き算をしておきながら、あれもしたいこれもしたいと、どんどん足していくから正直ダッサいクランクをつけねばならないハメになります。またはどんどん値段が上がって「それ、もうロードやん」となってしまいます。所詮はクロス、されどクロスです。10万もするクロスバイクは要らないですが、かといって、4万円台や!でもハブがジョイ○ックや!とかは本末転倒なのです。

そう考えると、ベースとなる5万円台のフツーのクロスを買っておいて、値段が跳ね上がらない程度に自分の味を出しつつ、抜けるとこはさらに抜いていけばいいのです。それはテク○ロのブレーキを使うとかではなく、思い切ってフロントシングルにするとか、中途半端な「レザー風ビニルサドル」をやめてしまうなどです。その点に関して、大いに参考になる自転車を今日は撮影してきました。

どらえもん号

なんと撮影大失敗で途中で切れてしまっていますが、「ドラえもん」と呼んでるおっさんの街乗りクロスです。出た!フロントシングル。そしてサドル!レザーサドル!?ブルックス?高いじゃない!?大丈夫!よく見て!コレ、ギザプロダクツ!あのブタのライトとか売ってるギザプロダクツ。急に親近感湧いてきたでしょ?生意気にブルックスみたいな金具もついてます。なめてますねぇ。たぶんホイールも手組みですね。もうこだわりすぎて一周回って思いっきり抜けちゃった人の自転車ですね。いいですよ。コレ。いいです。ホリゾンタル?ハァ?な感じも素敵。

ここまでの考えをまとめて、妹にプレゼントする自転車を作りたいと思います。問題はこのブログ、妹がときどき見てるからバレちゃうってことです。まぁ私、岡田真澄じゃないので、サプライズとか苦手なんで、それもまたアリかなと。

グダグダとした自転車話に長々お付き合いありがとうございます。最終的なプレゼント自転車はまたここで紹介します!