慈眼寺 副住職ブログ

人生で必要なことは、だいたい京橋で学んだ。

いよいよ夏休みも終わりに近づいてまいりました。
とはいえお坊さんはまだまだお盆の行事の続きがあります。今週いっぱいは普通の日ではないままですねぇ。

私は幸いにも夏の暑さには徹底的に強くて、食欲がなくなることはほとんどないのですが、それでも毎日おそうめんでは飽きます。
そんなときには、コレで気分を変えよう!というメニューがあります。実はこのメニュー、京橋の駅前の丼屋さんで学生時代にご飯を食べていると、サービスで出てきました。実に簡単。そうめんの麺を、中華麺に変えるだけ。よくスーパーで3つで100円で売ってる黄色いの。あれをめんつゆで食べる。実にさっぱりしてるのに、そうめんよりは食べ甲斐があり、美味しいです。

他にも京橋では色々なことを学びました。一番衝撃的だったのは、これまた学生時代に目撃した、京橋のケンカ。

ある日大学生の私が、これまた同じ駅前商店街で、座って人を待っていると、よっぱらいが人に絡んでいました。この街は昼間っから酔っぱらいを探すのに苦労しません。夜はだいたい三人に二人は酔っ払いです。それ自体は珍しくなかったんですが、絡んだ相手が悪かった。そのものズバリの極道の人でした。しかもチンピラ臭のない、落ち着いた感じの方なのですが、でも、「あ、違う」ということだけはハッキリわかるその道の人でした。毛皮をかぶった女性と腕を組んだそのダンディーなおじさんに、酔っぱらいがぶつかったようで、「おいコラお前」と絡んでおりました。もうドリフのコントか!と言いたくなるようなデインジャラスな光景。

「お前、ええかげんにやめとけ。な!」

と諭すダンディなオジサマ。パンチ&ヒゲともう完全ないでたちです。でも酔っぱらいはやめません。服を掴んだり、小突いたりしています。ああ~と目を覆うばかりの状況。

すると、おもむろにオジサマが、手に持ったセカンドバッグを派手な女性に手渡します。そしてゆっくりと酔っ払いに向き直り、腕を少し持ち上げ・・・

なんということでしょう。手が消えました。

パンチです。さすが大阪帝拳のお膝元京橋。ボクシング経験者でしょうか?一瞬で腕先がシュッと動き、消えました。その瞬間、酔っぱらいのアゴに衝撃があり、酔っぱらいはそのまま膝から「カクン」と垂直に落ちました。

あわわ・・・。こんな漫画みたいな戦闘、現実にあるんだ・・・。まさに一撃必殺。
そのあと、オジサマは倒れ込んだ酔っ払いに

「もうやめとけ」

と一言だけ言い、踵を返して、派手な女性と去っていきました。

 「・・・先生がこの話で何が言いたいかって言うと、自衛隊の専守防衛っていうのは、こういうことな!」

私の授業で一発で分かってもらえる鉄板ネタになっています。ヤクザさん、ありがとうございましたッ!!!