慈眼寺 副住職ブログ

あけましておめでとうございます

除夜の鐘2

当寺に鐘楼はありません。戦時中に鐘を軍に供出しまして、

それ以来ありません。

しかし、数年前から兼務させていただいている都祁の来迎寺にはこのように立派な鐘楼があります。この来迎寺は中世で時が止まったかのような不思議で、歴史のロマンに溢れたお寺なのですが、後継がおられず、長年のお付き合いのあった当寺の住職が兼務させていただくことになりました。同じ奈良市内にあるとは言え、なにぶん二つのお寺の距離が離れておりますので、なかなか毎日のように通うわけにはいきませんが、もともと「村全体がこのお寺の住職」とも言うべき一致団結した檀家様のご協力でなんとか私共が兼務させて頂いております。このお寺については今後詳しくお話するとして、このお寺の鐘もまた、戦時中軍に供出した後、新造して少し小さくなったそうですが、それでも見事な大きさの立派な鐘楼です。してみるとあの有名な『獄門島』の中にでてくる鐘のエピソードも「戦後のお寺あるある」の1つだったようです。

このような歴史ある場所の鐘を、村の皆さんと集まって108つ鳴らして一年を始めることで、過去の歴史と新しい一年に思いを馳せることができます。みなさんのご健康とご多幸を願っております。